スピード指数の仕組み

スピード指数というのは競走馬の走破タイムを数値化したものです。
通常、レースに出走する各馬の前走の走破タイムはそのままでは比較できません。
それぞれ走ってきた競馬場も違えば距離も違います。また競馬新聞に記載されている「持ちタイム」はそのタイムを出した時の条件がそれぞれに異なりますから、それをそのまま比較してもあまり意味がありません。
例えば、A馬は東京の芝1600mを1分34秒5で走った。B馬は京都の芝1600mを1分35秒2で走った。さてどっちが速いでしょう?と比べても、それぞれの日の馬場状態が分からないし、背負っていた斤量や競馬場ごとの違いも加味して考えないと間違った結論を出してしまう可能性があります。
そこで、それぞれ異なった日に、異なった競馬場、異なった距離、異なった斤量で走ってきた馬たちの走破タイムを、同じテーブルの上で比較しようというのがスピード指数なのです。

スピード指数= (基準タイム−走破タイム)×距離指数+馬場指数+(斤量−55)×2+80

これがスピード指数の計算式です。それぞれ順に説明していきます。

*基準タイム
各競馬場ごとに500万条件と1000万条件で行われたレースの1〜3着に入着した馬のタイムの平均を求めてさらに平均したものです。
つまり各競馬場の各距離ごとに500万条件と1000万条件の中間に位置するモデル馬を想定して、これらが出すであろうタイムが基準タイムなのです。
この基準タイムよりどのくらい速いのかによってその馬の実力を量る事が出来ます。
基準タイムから走破タイムを引くのですから数値が大きくなるほど速いということになります。
また、スピード指数では1秒を10として、0.1秒を1として表しています。

*距離指数
様々な距離で走ってきた馬たちのタイムを比較するための指数です。
この指数は 1秒÷基準タイム×1000 の計算式から求められたものです。
1600mが1.0になり距離が長くなれば小さく、短くなれば大きくなります。
通常3000mでの着差1秒と1200mでの着差1秒とでは価値が異なります。
例えば障害戦や長距離戦では大差勝ちがよくありますが、短距離で1秒(おおむね16〜17m・約6馬身差)も離す馬は少ないものです。
同じ1秒差でも距離によってその価値に違いが有るのですが、 この距離指数を掛けることによってそれを平準化して、はじめてそれぞれが同じ距離を走ったように比較検討出来るわけです。

*馬場指数
これは開催日ごとに異なる馬場状態を数値化したものです。
競馬場が同じでも、開催日が違うと馬場状態も変わってきます。
各競馬場では仮柵を設けてインコースの芝を保護し、開催後半に内側と外側で馬場状態の差があまり生じないようにしていますが、それでも雨の中での競馬など、天候によっては走破タイムに2〜3秒、指数にして20〜30もの影響を与えることがあります。
また芝に限らずダート戦でも馬場状態は走破タイムに少なからぬ影響を与えます。
例えばダート戦の場合、海辺の砂浜を想像してみて下さい。足首が埋まってしまうほど砂が深いと抵抗が大きくなって走りにくいものです。それが段々と波打ち際に近くなっていって湿った砂になってくると、抵抗が減少して乾いた砂よりかなり速く走れます。そしてさらに波が打ち寄せて脚が濡れるほど水分を含むと、蹴る力が伝わりにくくなってまた走りにくくなります。
これを雨の競馬場に置き換えて考えてみると、競走結果へ与える影響としての馬場指数の重要性がお分かりいただけると思います。
また、通常1日の馬場指数は芝、ダート各1つづつ設定することになりますが、天候の急変等により1日のなかでも時間によって馬場状態が変化している場合があるのでそれに対応するため、各レース毎に仮馬場指数を設定することもあります。

*(斤量−55)×2
異なる斤量で走ってきた馬たちの比較をするために、55kgを基準にしてそれより重い斤量、例えば58kgなら(58−55)で3を、逆に軽い54kgなら(54−55)で−1を、まず考えます。
次に通常、斤量の走破時計への影響は1kgが0.2秒に相当しますので指数上、各斤量差に2を掛けて58kgの時の3なら3×2で6、54kgの時の−1なら−1×2で−2をそれぞれ指数から加減します。

*+80
計算式の前半部分までで「基準タイムと走破タイムの差」に距離指数を掛けましたが、これだと数値にプラスとマイナスが混在して分かりにくくなるので、便宜上80という数を足して個々の馬の出した指数を比較しやすい様にしてあります。
プラス7とマイナス3の差を考えるより、87と77との差を考える方が分かりやすいからです。
80をプラスすることによってG1などの格の高いレースでは100くらいのスピード指数になり、1000万クラスでは80くらいがクラスの能力であると判断できるようになります。

以上がスピード指数の計算式の説明です。
それでは実際にスピード指数を計算してみましょう。

例: 2001年10月27日、東京競馬場ダート1600mで57kgを背負って1分33秒3で走った馬のスピード指数の求め方は以下の通りです。
東京ダート1600mの基準タイムは1.38.4(改訂15版)で秒数に直すと98.4。
走破タイム1.33.3も秒数に直すと93.3です。0.1秒が指数1になるわけですから、それぞれ984と933になります。
1600mの距離指数は1、東京競馬場ダートコースの当日の馬場指数は−20ですから、

(984−933)×1+(−20)+(57−55)×2+80=115

となって115がこの馬のスピード指数です。

いかがですか?難しい事を言っても加減乗除しか使わないから手計算でも出せますし、それが面倒ならパソコンの自動計算ソフトもあります。
この115という前走の指数を今回出ている他の馬の指数と比較して今回勝つ馬はどれかを考えていくのがスピード指数による勝馬検討なのです。

ところで、先ほどの指数はどの馬の指数でしょうか? これは武蔵野ステークスを勝ったクロフネの指数なのです。

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